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Akito Sasakura

売上UPを仕組化しよう~BtoC編①~

お世話になっております。AWA CONSULTINGの笹倉です。

突然ですが、商売を分類する方法として、BtoB、BtoCという枠組みがあります。

BtoB:Business to Business 企業間取引(例:卸業者等に販売する食品メーカー)

BtoC:Business to Consumer 一般消費者取引(例:不特定多数が顧客となる飲食店)


実際には、これらが入り混じった企業もあります。もし売上を向上させたいと考えた場合、BtoCを起源とする会社は、BtoB領域にもBtoC領域の戦略を採用してしまう例が少なくありません。これは逆も然りです。

新たに戦略を立てたり、挑戦をすることは、多くの方にとってストレスを感じるものです。できれば、これまでと同じことを続けて売上が伸びてくれるのが理想。世の中にチラシや看板によるマーケティング活動が多いのは、そういった心情を映していると思われます。自分たちのスタイルはそのまま、顧客への露出を増やし、認知度を高めていくことで売上も伸ばす。

これは長く理に適った方法でしたが、これからの人口減少時代にはそぐわない可能性もあります。認知を高める対象自体が減れば、その効果も限定的になります。


近道はない

私は昔、洋菓子店の店長をしていたことがあります。多店舗展開する企業の雇われ店長という形式でしたが、店舗内の装飾や品揃えは店長の判断に任され、売上の責任も背負うものでした(背負うと言っても、罰金とかがあったわけではないですが笑)

まさにBtoCビジネスの責任者として、部下のマネジメント等を行いつつ、売上の向上を目指していたわけですが、そこに助言をくれる本社契約の経営コンサルタントがやってきます。彼らは遠方から徳島に月一回程度訪問し、助言を経営者に伝え、経営者はその言葉を店長らに伝えます。

私が在籍していた5年間で、何人ものコンサルタントが助言をくれることになりました。お察しの通り、成果らしい成果を出せるコンサルタントはいなかったのです。


『経営の助言や支援』を仕事とする経営コンサルタントの、何十万円もする金言ですら、場合によっては効果がないということです。こういった例は中規模以上の会社に勤めている人にとっては、あるあるとして枚挙に暇がないと思います。

何故コンサルが入っても売上が伸びないのか。その答えは確信を持って言えるものがあるのですが、今回の趣旨とはズレますので、また別の機会に。


売上を伸ばす――その目的を達成する為には、まず売上とは何なのかを知る必要があると思います。事業者数の多いBtoCビジネスを考えてみましょう。




売上を考察する

売上=客数×客単価 というメジャーな公式があります。今回は基礎固めの趣旨でここをしっかり説明します。

売上:顧客から受け取る、自身の商品やサービスの対価の総額

客数:当該期間に対価をくれた顧客の総数

客単価:顧客の支払ってくれる対価の平均値


当然のことですが、商品やサービスを提供しても、対価を受け取らなければ売上にはなりません。これを殊更強調するのは、『無料』や『お試し』で注文されるオプション等の数を重視される経営者の方がいらっしゃるからです。一つの指標として活用されることは否定しませんが、売上とは別物という意識が必要です。売上とは対価を得る商品・サービス提供であると定義づけしましょう。増やしたいものは、これなんです。


客数に関しては、色々な定義が出来ます。飲食店の場合、4人組を4人と数えるか1組と数えるか等のバリエーションがあります。が、重要なことは企業の中で一貫した計測を行うことです。しかも、その要件設定の際に、どの指標が自社にとって有用な定義となるのかを、じっくり考える必要があります。

上の例で言えば、通常1組を客数1として捉えることが一般的ですが、1組中の人数を増やすことが重要であるという店の場合、客数4で捉える方が良いこともあります。


客単価は、売上÷客数で計算されるものです。


定義は上記のような形で、すっきり理解しておきましょう。


ここで、売上を向上させるためには『客数』or『客単価』を上げるしかないということに目を向けましょう。上の方で書いたチラシや看板は『客数』に対してのアプローチですね。わかりやすいですよね。

一方、客単価は少しわかりにくい概念でしょうか? 

これは、施策から見ていく方がわかりやすいかも。

例えば、飲食店の場合、トッピングの追加や、大盛注文をした人は、しなかった場合と比べ、支払う対価が増えますね。こういう方が一人では客単価に大きな影響はありませんが、追加注文をする人が多数派になれば、客単価は優位に伸びることとなります。


ここでこんな話をしていて恐縮なのですが、上の内容でチラシや看板、オプションメニューの創設を考えるのは短絡的です。99%失敗する幻の近道です。この99%というのが実に意地悪く、1%成功することがあるのです。そして、その特殊な例の成功体験を鵜吞みにして、多くの経営者ががけ下に滑落していきます。

目をつむって、足を踏み出した方に、たまたま近道が、1%の確率であったに過ぎない。

しかし、その成功者にとっては1/1の体験である為、善意で方法を広めてしまう。

得てして、経営コンサルの中にも、こういった『唯一無二の指導』をする方がいらっしゃいます。


しかし、売上はそんな単純なものではありません。

特にBtoCでは、一人ひとりの消費者が支払ってくれる対価が合わさり、売上を構成しています。店舗ごとに違う顧客がいる。店舗ごとに違う強みがある。顧客が、その店に行く理由は、顧客ごとに異なっているわけです。

それを考えれば、唯一無二の方法論なんて、暴論ということがわかってもらえると思います。


売上を伸ばす、正しい第一歩

では、売上を伸ばす為に、何をするべきなのか?

それはまず、己を知ることです。お店に来てくれている顧客は、お店の何に惹かれて来店してくれているのか。それを正しく捉えることから、全ては始まります。

立地なのか、サービスの質なのか、価格なのか・・・卑下することなく、冷静に、建設的に考察してみることです。競合(周りの同業者)ではなく、あなたの店を選ぶ理由が必ずあるはずです。それが「お付き合い」という理由でも、一旦はありのままを受け容れるべきです。


それが出来たら、その魅力を伝播させる手段を考えます。

次回はこのあたりをご説明しますね。

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