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Akito Sasakura

組織ってなんだ②  ~バーナードの組織3要素②~

更新日:2023年11月16日

お世話になっております。

前回の続きで、共通目的(経営理念)の利用価値のお話を致します。


恐らく多くの労働者にとって、経営理念は入社当時から会社に変わらず存在する、一種の象徴的な文字列と認識されていると思います。当然ながら、従業員としてはそんな文字列の作成に立ち会ったこともないですし、意見を求められる機会も少ないと思います。

そして熱血系の経営者の場合、この文字列を何度も従業員らに唱和させるのですが・・・

伝わらないのです。

しかしこれは特別不思議なことではありません。普通の人が興味のない本を読まないように、『誰かが書いた文字列』には誰も興味がないのです。よって、まず最初に取り組むべきは『象徴となり下がり形骸化した文字列』⇒『経営者の思い』に再起させることなのです。

元々御社は何を実現する為に設立された会社なのかを、恥ずかしがらずに従業員に提示するべきです。「理解されないんじゃないか?」と不安になる経営者の方も多いと思いますが、経営理念は会社のアイデンティティです。しっかり伝えなければならないし、浸透させなければならないのです。


さて、ここからが今日の本題。『経営理念を利用する』方法を記載します。

それは、全ての経営戦略を経営理念(経営者の思い)を使って、従業員らに説明することです。この場合の経営戦略は、営業目標や業務効率化目標のことであり、経営・管理層が従業員らに示す行動計画のことです。企業が経営理念に沿った動きをしていればこれはとても簡単なことで、実際に即実行できる会社も多いはずです。

逆に、これが難しい場合、現在、あるいは近い将来で、会社は危機に瀕する可能性が非常に高い。怪しい言葉とお思いになられたでしょうが、私は預言者ではないので、当然根拠があります。


上に書いた経営理念の利用法は、表面です。平時に戦略を助けてくれるのが経営理念です。

しかし、先に述べた行動計画をそのまま実行できている会社など、この21世紀において皆無のはずです。コロナによる不況、エネルギーコストの高騰、人口減少・・・、これら予測不能な事態をカバーする計画など、

絶対に、間違いなく、100%、作成不可能です!

この予測不能で曖昧さを内包する環境をVUCAと呼び、これらは今後半永久的に続きます。

そんな不安定な時代に、がっちがちの経営戦略なんて絵に描いた餅なのです。例えば、KPIを顧客先への訪問回数と設定した行動計画があったとしても、別の取引先でトラブルがあってその対応に追われれば、その日のKPIは最低評価です。そして当該従業員の成績に現れる負の影響は多くの場合無視され、トラブル対応に対する加点もありません。それはトラブル(VUCAの影響)を想定しない経営戦略の欠陥です。(通常、計画に余白は残しません。平時には無駄になるからです)

しかし前述通り、経営理念を用いて従業員らに戦略を「説明」した会社に関しては、このVUCAへの耐性がついています。これが利用法の裏面であり、耐性とは、VUCAの前に無力となった経営戦略を従業員自らが修正できる、という意味です。

文字列ではなく、生きた経営者の思いとして、どう行動するべきかの理由に用いられた経営理念は、緊急時に従業員を「正しい行動」へ導きます。


例えば・・・

おっと、またまた良いお時間に・・・ 残りは次回に。

まさか共通目的だけで3日使うことになるとは・・・

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